About

土壁ネットワークは、土壁の存続と普及を目的に、左官や大工、建材生産者、工務店、設計者、研究者などが集りつくった団体です。土壁耐力や省エネルギーの研究を現場につなぐ活動のほか、町家など歴史的建物の保存活用、技術者養成など、過去の木造建築の技術や文化を引継ぎ発展させるための活動をしています。
 

[設立経緯]

設立のきっかけは、2003年の建築基準法告示改正でした。
1995年に発生した阪神淡路大震災以降、木造建築の研究が進み、それまで耐震性が認められていなかった土壁の壁倍率は、2003年12月の建築基準法告示改正により従来の0.5に加えて新たに1.0と1.5が定められました。しかし、つくる側も審査する側も 耐力壁としての土壁についての認識が十分でなかったため、建築確認の運用において様々な問題が発生しました。特に香川県では早くから木造住宅の中間検査が行われていたためこのような問題が顕在化しました。
 
このような問題を解決するため、普段つくっている地域の仕様が、必要な性能を満たしていかを確かめること、併せて、職人技術者の職場環境や後継者の問題など、木造技術の生産体制存続にかかわる課題についても検討することを目的に、2006年4月、土壁ネットワークは任意団体として発足。2009年9月には組織をNPO法人としました。

[活動経歴]

2006年3月 ◉ 土壁ネットワーク 設立
2006年8月〜2009年3月 ◉ 香川県建築士会 平成18年度地域貢献活動センター地域貢献活動基金助成事業(香川県における土壁の圧縮強度の実態調査、土壁の練り置き期間が圧縮強度に与える影響、土塗壁の実第面内せん断試験)
 2008年7月〜2009年3月 ◉ 香川県建築士会 平成20年度地域貢献活動センター地域貢献活動基金助成事業(欠損および筋かい併用による土塗り壁の実大面内せん断試験、一般的な木造軸組構法に使用される耐力壁破壊試験)
2008年12月〜2009年3月 ◉ 国道交通省 平成20年度地域木造住宅市場活性化推進事業(土壁のつくり方・冊子、試験報告書の作成)
2008年12月 ◉ 香川県 平成20年度住まいづくり講座の開催(県民向け講座)
2009年9月 ◉ 特定非営利活動法人 土壁ネットワーク設立
2009年4月〜2010年2月 ◉ 国道交通省 平成21年度地域木造住宅市場活性化推進事業(土壁性能証明試験/地域仕様の告示同等性能証明試験、住まい手向け普及事業/パンフレット制作、ワークショップ、土壁職人展開催)
2009年12月〜2010年2月 ◉ 日本住宅木材センター 伝統的構法の設計法及び性能検証業務のうち、土壁面内せん断試験(試験体8種類×3体=24体)
2009年5月〜2010年3月 ◉ 香川県建築士会 平成21年度地域貢献活動センター地域貢献活動基金助成事業(香川県および他地域の壁土の実態調査/調合、施工、粒度分布、圧縮強度、等、土塗壁の実大面内せん断試験/筋かい併用での比較試験、仕口強度試験/柱の引き抜き強度など)
2009年10月 ◉ 木の建築フォラム 第6回木の建築賞/木の建築賞(活動)受賞
2010年度 ◉ 本会の事業(荒壁土強度試験:採取別、ワラの量の影響、中塗り土強度試験:ワラの量の影響、実大試験7体:塗り層別耐力)
 2012年度 ◉ 本会の事業(実大試験-1:地域仕様の確認、実大試験-2:ラスボード・プラスター塗りの耐力)
 2013年度以降 ◉ 四国職業能力開発大学校及び香川大学との共同研究
2014年度:国道交通省 平成26年度 歴史的風致維持向上推進等調査委託「歴史的木造建物の耐震性・快適性を踏まえた居住性向上手法提案による維持可能な町並み維持保全方針検討」 LinkIcon 報告書はこちら
2015年度 ◉ 丸亀市「町家等歴英的建造物保存調査」委託

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香川県丸亀市中府町四丁目2-27 〒763-0033
有限会社田園都市設計内(大西泰弘)
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